うつ病で病院に行けない場合の対処法は?病院には行かない方がいい?
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全国で約100万人の患者がいると言われるうつ病。
今やうつ病という病名を知らない人はいないでしょう。
「心の風邪」などと言われ、何人もの芸能人が闘病生活を明かしている病気です。
しかし、実際に自分が抑うつ状態に陥った時、病院を受診し、治療を受けようとする人は、それほど多くはないのが実態のようです。
病院に行くのは10人のうち1人⁈
平成14年度の厚生労働科学研究費による疫学調査では、うつ病を経験した人のうち、病院を受診したのは4分の1にとどまることが明らかにされました。
また、平成16年から17年にかけて行われた別の調査では、もっと深刻な実態が浮き彫りにされました。
会社員621名を対象に、抑うつ状態が2週間続いた場合、専門の医療機関を受診するかと尋ねたところ、受診すると回答したのは、わずか8.3%。残りの91.3%は受診しないと答えました。
抑うつ状態が2週間続いても専門の医療機関を受診しないと回答した人に理由を尋ねたところ、一時的な不調と考えたり、自分の不調を気のせいとしたりする回答が多数。
日々の不調をごまかし、抑うつ状態に陥っている自分に対して、一時的なもので、気の持ちようでなんとかなると考えて、受診をためらう様子が浮き彫りにされました。
また、仕事を休むわけに行かないと考える人が非常に多いことも、明らかにされました。
すでにうつ病での休職者が出ている場合、残りのメンバーで業務を支えていることから、仕事優先になることも多いようです。
また、休職しているのが、いわゆる新型うつで、休職中にもかかわらず、旅行に行ったり飲み会は楽しんだりしているようだと、うつ病への視線が厳しいものになり、残った人間が抑うつ状態に陥っても、うつ病と認めたがらないということになるようです。
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とりあえず抑うつ状態を悪化させないために実践したい2つのこと
抑うつ状態が2週間以上続いていても、精神科や心療内科は敷居が高いと感じる人は、未だに少なくありません。抑うつ状態に陥ったビジネスマンは、責任やキャリア、世間の目など、多くの荷物を背負っています。
疲れている時ほど、自分が背負っている荷物を下ろすことは難しいものです。
どれを下ろしたら良いのかという判断がつかないためです。
とりあえず、症状を悪化させないようにしましょう。
そのために実践したいことは、2つです。
1.風呂敷残業はやめること。
仕事とは違う脳の使い方をすることで、ストレスが緩和され、翌日にストレスを持ち越さずに済みます。
帰宅したら、趣味やスポーツに時間を使うようにしましょう。
2.仕事の依頼に即答しないこと。
疲れている時ほど、次々と仕事を引き受けがちです。
断る口実が見つからず、自分の状態を客観的に把握できないためです。
「そうですね。その件につきましては、後ほどご相談させていただいてもよろしいでしょうか?」と返事を引っ張り、信頼できる友人や家族に相談して仕事量を調整するようにしてみましょう。
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放置うつは怖い
当面は、過重な負担を減らし、長時間の緊張状態を軽減することで、症状の悪化を防ぐことはできるでしょう。
しかし、生活しづらいと感じる症状が出たら、病院を受診しましょう。
うつ病は、最初のうちは、症状が比較的軽いことも多く、一時的に治まる場合もあります。
しかし、放置していると、何度も再発し、次第に症状がこじれてきます。
環境や仕事への取り組み方が変わらないためです。
中には、うつ気分を紛らわそうとして、アルコール依存やギャンブル依存に走る人もいます。
うつ病が重症化して自さつする人も、少なくありません。
日本は自さつ者が非常に多く、2014年も自さつ者が2万5000人を超えました。
このうち、3割近くがビジネスマンだとされています。
また、うつ病が原因で自さつする人は、年間6000人以上とする調査結果もあります。
そのうち、30歳代が約1000人、40歳代も約1000人と言われています。
2015年12月1日から、ストレスが少ない職場づくりが雇用者に義務付けられるようになります。
BGMやマッサージチェアの導入など、会社ごとにさまざまな取り組みが行われるようです。
職場環境と同時に改善する必要があるのは、働く人自身の意識でしょう。
うつ病の疑いがあったら、専門の医療機関を受診することを積極的に検討しましょう。
病院を受診する際に注意したいのは、精神科の医師は患者に共感しても、同情はしないということです。
精神科や心療内科の医師に同情を求め、全面的に支えてもらうことを期待する人もいます。
しかし、医師は、患者に寄り添っても、けっして患者の代わりに憤ったり、患者に同調したりはしません。
患者の精神的な自立を促すためです。
付かず離れず、患者を見守るのが、精神科や心療内科の医師です。
医師とのやりとりを通して自分を見つめ直し、寛解への歩みを続ける姿勢が大切です。
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